2015.12.08
体調管理
胃腸をいたわる生活習慣を心がけ、年末年始を楽しく元気に過ごしましょう
毎年12月11日は胃腸の日。これは日本OTC医薬品(一般医薬品)協会が制定した記念日で、2002年に制定されました。12月11日に定められた理由は「1211=胃にいい」という語呂合わせに由来しているとのこと。また、1年の締めくくりの師走に、これまで負担をかけてきた胃と腸をいたわって欲しいとの願いも込められているそうです。
実際、年末から年始にかけては、忘年会や新年会、クリスマスやお正月…とイベントが続き、暴飲暴食による胃腸の乱れが懸念される時期です。また、年末で仕事が過密になり、心身ともに疲労を極めることも、胃腸への負担を増加させます。そんな年末年始を健やかに乗り切るために、胃腸に関する疾患について知り、しっかりと対策を講じておきましょう。
【胃腸はとってもデリケートな臓器】
体内に栄養を取り込む上で、重要な臓器である胃と腸。働き者である一方、想像以上にデリケートな器官で、食べ物や温度、さらにストレスでもダメージを受け、不調をきたしてしまいます。このうち胃は、胃粘膜を刺激する食べ物や飲み物の摂り過ぎで、腫瘍ができたり、がんの原因になることも。唐辛子やタバスコなどの香辛料、塩辛い味付けの料理など、刺激の強いものの摂り過ぎには注意が必要です。熱すぎるもの、硬いものも直接胃を傷つける原因になるほか、ケーキやチョコレートなど甘いものも要注意。お菓子に使われる砂糖は胃にとどまる時間が長いため、胃に負担を与えてしまいます。同様に、甘いものは腸の働きも悪くするため、食べ過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
【胃がんのリスクを高めるピロリ菌】
胃にむかつきや痛みが生じたり、吐き気をもよおす場合、急性胃炎が疑われます。急性胃炎は胃粘膜に生じる炎症で、暴飲暴食、ストレスなどが原因とされており、さらに不摂生な食生活を繰り返すと、慢性胃炎やピロリ菌の感染による胃・十二指腸潰瘍といった疾患にもつながります。ピロリ菌は、らせん状によじれた棒状の細菌で、飲み物や食べ物がおもな感染源といわれます。ピロリ菌が胃に棲みつくと、胃粘膜に炎症が起こり、長引くと粘膜が萎縮し胃潰瘍を発症させるほか、胃がんのリスクも高めてしまいます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍を経験された方、胃の具合の悪い方、胃がんが心配な方は、ピロリ菌を保有していないか検査されるといいですね。ちなみに、胃潰瘍は鎮痛薬により胃粘膜が荒れることでも発症しますので(NSAIDs胃潰瘍)、服薬方法を守って用いることが大切です。薬を飲む際は、水をしっかりと飲むこともお忘れなく。
【ストレスも腸炎の大きな原因に】
腹痛や下痢、吐き気、さらには熱や血便が出る場合は、腸炎を発症している可能性があります。腸炎にはウイルス性(ノロウイルスなど)、細菌性(サルモネラ球菌など)などのほか、ストレスが原因の神経性のものもあります。原因が判明しないときは下痢止め薬などで無理に抑えようとせず、早めに医療機関を受診することが望まれます。ウイルス性や細菌性の場合、適切な処置により一定期間安静にすれば、ほとんどの場合は治癒します。
腸の病気の予防には、『栄養バランスの取れた食事』『暴飲暴食を行わない』『ストレスや不安を抱えない』などが挙げられます。食事では、食物繊維や乳酸菌を積極的に摂りたいもの。大腸がんの予防にも有効ですので、ぜひこうした習慣を身につけ、がん予防にも役立てたいですね。
【check!あなたの胃腸は健康ですか!?】
胃や腸の病気を予防するには、ふだんの生活を見直すことも重要です。以下の項目は胃腸の健康にとってのイエローカード。あなたはいくつ当てはまるでしょうか。
□ 早食いでよくかまないで食べる
□ 食事の時間が不規則だ
□ 朝食を食べないことが多い
□ 夕食は遅い時間に摂ることが多い
□ お腹いっぱい食べてしまう
□ 食欲があまりない
□ 味の濃いもの、辛いものをよく食べる
□ タバコを吸っている
□ お酒をよく飲む
□ ストレスを感じることが多い
□ 睡眠不足ぎみだ
□ 空腹時に胃が痛い
□ 食べると胸やけし、げっぷがよく出る
□ よく胃もたれがする
□ お腹がはったり、ガスがたまった感じがある
□ 朝起きると胃がムカムカしている
□ 下痢や便秘を繰り返す
□ 口のまわりがよくただれる
□ 唇が荒れたり、乾燥しやすい
□ 舌の色が黄色っぽい、または白っぽい
上記の項目に当てはまるものが複数ある場合は、早急に生活習慣の改善に努めましょう。また、後半の9項目については病気の発症が疑われるため、医療機関を受診し検査されることをお勧めします。年末年始の楽しいイベントを病気のきっかけにしないためにも、胃腸の健康につねに関心を持ち、病気の予防に努めてくださいね。
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